英字の本

こんにちは。生まれ年ワインショップのオーナーソムリエ寺井です。

このページでは、パーカーヴィンテージチャートと私のテイスティング経験を照らし合わせながら各ヴィンテージについて探求していきたいと思います。

チャートをすぐに確認したい方は、下の目次より『2.パーカー最新ヴィンテージチャート』へおすすみください。

パーカーヴィンテージチャートとは

ヴィンテージチャートとは、ワイン産地ごとのその年の良し悪しを数値化して一覧にしたものです。

ワインは、農作物であるぶどうから出来ており、その年の天候・気候に出来が左右されるので、年と産地ごとにワインも出来が変わり、それを一覧表にしているわけです。

ロバート・パーカー(Robert M. Parker, Jr.)のヴィンテージチャートは、世界で最も活用されているヴィンテージチャートではないかと思います。

当『生まれ年ワインショップ®』でも、古酒を仕入れる際には参考にします。

では、ロバート・パーカーのヴィンテージチャートは他のヴィンテージチャートと何が違うのでしょう。

ロバート・パーカーとは

ロバート・M・パーカー・Jr.(Robert M. Parker, Jr.)は、世界のワイン価格にも影響を与えるほどのワイン評論家で、ワインに100点法の評価を導入した第一人者です。

彼がワインを100点満点で評価するということに関しては賛否両論あるものの、彼のワイン業界への功績は非常に大きいことは疑いのないものです。

飲んだことのないワインを買ってみたい、飲んでみたいと思う動機や、購入を迷っているワインの後押しをしてくれる有効な指標を作った人物と言えます。

パーカーがワインを評価するまでの歩み

ロバート・パーカーは、1947年生まれのアメリカ人で、元々は弁護士です。

日本でワインを広めた第一人者の1人である山本博氏も本業は弁護士ですから、弁護士の方のワインへのアプローチは理路整然としているのかもしれませんね。

さて、ロバート・パーカーがワインに興味をもったのは、学生時代のころ(私と一緒です^^)。

法学部の学生だったころに、クリスマス休暇に後の奥様になるパトリシア・エッツェルに会いにフランス旅行に行き(フランスに留学中だったようです)、そこでフランス料理とワインに感銘を受けたことが転機となります。

帰国後は友人とワインを飲み、ワインの勉強もしたようです。

司法試験に合格したのは1973年なのですが、学生時代に結婚をし、何度もフランスに行ったようで、やはり熱中すると突っ走るのがこういう偉人の共通点のように思います。

その後、弁護士業のかたわら、1975年からワインに関する執筆活動をはじめ、1978年に現在のワイン・アドヴォケイト誌の前身となる雑誌を発行しています。

ワイン・アドヴォケイト誌

ワイン・アドヴォケイト誌が他のワイン雑誌と一線を画したのは、ワイナリーなどからの広告ナシでパーカーが自費を投じて、ワインを購入してテイスティングした上で、点数をつけたことです。

この記事を読んでいる皆さんなら、一度くらいはワイン関係の雑誌をご覧になったことがあるかと思います。

その中にたくさんのワイン広告が載っていますよね。

ワイン雑誌の中の広告
ワイン雑誌の中の広告

ワイン雑誌は、そんなスポンサーからの広告収益を元に取材をしたり、ワインの提供を受けた上で記事作成をふつうに行っています。当然、スポンサーのワインに対して悪い表現はできません。

私も昔はワイン雑誌を購入していたのですが、当時(今もそうだとは思いますが)、リアルワインガイドという雑誌は、広告はあるものの、記事広告を嫌っていて、ワインも提供を受けなず、きちんと購入するというスタイルの雑誌でした。

リアルワインガイド2006年12月号「ワインのREAL、新常識」

話をパーカーに戻します。

日本を代表するワインジャーナリストの堀賢一氏も、ご自身の著書であり、私のバイブル的存在でもある『ワインの個性』の中で

一般に、パーカーがワイン業界にもたらした最大の業績は、100点法によるワインの数値評価であると考えられています。しかしながら私自身は、一切の広告を掲載せず、ワイン業界のしがらみから独立し、消費者の視点からワインの試飲評価を行うという、批評の独立性こそが彼の真骨頂だと思います。

と書いています。

 

私に近しい方は何度も次の私のセリフを聞いたことがあるでしょう。

 

ソムリエ寺井
寺井

私は味覚に絶対の自信はもっておらず、もし持っているなら輸入業者になり、海外から絶対の自信のあるワインを日本に輸入する存在になっているかもしれない。

でも、人間の舌はあいまいで体調や気分、雰囲気で味わいは変わる。

なので、私はワイナリーが100点と思って生産したワインを、それぞれのワインを美味しいと思える方に提供し、さらに接客でもっと美味しいと感じてもらって120点にするサービスマン(ソムリエ)として現場にいる

 

これは私のモットーであるものの、パーカーの100点法は私を含め、ワイン購入者が未知のワインを購入する際のガイドになることは確かです。

そしてそれは、広告によらないテイスティングにより公平性が保たれると思います。

 

1982年のボルドーヴィンテージ

100点法と自費でのワイン購入以外に、パーカーの地位を確固たるものにしたのがボルドーの1982年ヴィンテージです。

1982年のプリムール(初物)をテイスティングしたパーカーは、世紀のヴィンテージとする一方で、その他のワイン評論家たちはぶどうが過熟していると批判的な評価をくだしました。

蓋をあけてみると、ワインは素晴らしく、世紀のヴィンテージといえるだけのものでした。この1982年ヴィンテージを契機に、パーカーはその地位を確固たるものにし、その後はボルドーのプリムール価格に影響をあたえるほどになります。

つまりは、ボルドーのワイナリーは、パーカーがプリムールの評価を発表してから自社のワイン初物価格を決定することになるのです。

パーカーの評価の信頼性

ここまでに書いた

  • ワイン業界のしがらみによらない評価の姿勢
  • 1982年のボルドープリムールでただ1人適切な評価を下したこと

から、パーカがワインに対してつけるポイントと、パーカーのヴィンテージチャートは圧倒的な地位を獲得することになりました。

もちろん、パーカーによる評価は功罪ともにありますが、ここではチャートの信頼性を説明するうえでの功績のみを紹介いたしました。

パーカー最新ヴィンテージチャート

チャート内の用語は次の通りです。

パーカーの評価用語

チャート内の点数とアルファベットの意味は次のようになっています

ヴィンテージ点数
96-100: Extraordinary (規格外に良い)
90-95 : Outstanding (突出して良い)
80-89 : Above Average to Excelent (平均以上~良い)
70-79 : Average (平均的)
60-69 : Below Average (平均以下)
60以下: Appalling (ぞっとするほど悪い)
点数の下のアルファベット
T = Still Tannic, youthful, or slow to mature(まだタンニンが強い、若い、熟成がゆっくり)
E = Early maturing and accessible(熟成が早く、飲みごろに入ってきているレベル)※寺井訳
R = Ready to drink (飲み頃)
I = Irregular, even among the best wines(ワインによる。最良のワインも同様)
C = Caution,may be too old (注意。ピークを過ぎているかも)

※について。日本のパーカーポイントについて書いてあるサイトを20以上調べましたが、どのサイトも「早めではあるが熟成しつつあり、飲むことが出来る」と訳されています。他の訳は見つけられませんでした。おそらく誰かが最初に訳したものをネットで別の方がコピーして広がったのだと思いますが(よくある話)、Early maturing and accessibleは、そう訳すのが正しいのでしょうか?
私も記事を書くまではよく考えたことなく、Eのマークだけ見て、Early:「飲むには少し早い」と思い込んでいました。でもいざEarly maturing and accessibleを見ると、違うような気がします。今回のT,E,R,I,Cは全て私が訳したものを記載していますが、どなたか教えていただけたら嬉しいです。(数年後には、「熟成が早く、飲みごろに入ってきているレベル」がコピペされて、色々なサイトに記載されていたりして(笑))

パーカーヴィンテージチャート1970-2019

パーカーヴィンテージチャート(フランス1986-2019)

 

パーカーヴィンテージチャート(フランス1970-1985)

パーカーヴィンテージチャート(イタリア1986-2019)

ロバートパーカーのヴィンテージチャートは、アメリカのワイン・アドヴォケイトのサイトで、誰でも閲覧することができます。(上記は無料会員になり https://www.robertparker.com/ よりダウンロードしたものを引用)

 

では、このチャートをベースに、各ヴィンテージについて考察していきたいと思います。

ここまでの記事は私のバイブル的存在である、堀賢一氏の『ワインの自由』と『ワインの個性』を読んで得た知識が多いです。

 



ヴィンテージ考察一覧

では、パーカーのヴィンテージチャートと私の経験を照らし合わせて、考察してみましょう。

1983年

1983年のパーカーヴィンテージチャート

ポマール1983年

パーカーによる1983年の評価
ボルドーは全体的に良いが特にマルゴーの当たり年。一方ブルゴーニュは厳しい年。イタリアのピエモンテも厳しい。果皮の薄いピノ・ノワール、ネッビオーロには厳しい年だったということでしょうか。
寺井による1983年の考察
良年の多い80年代においてやや影に隠れているが改めて見ると良い年。特にマルゴーはグレートヴィンテージ。
パーカーチャートで気付きましたが、果皮の薄いピノ・ノワール、ネッビオーロには厳しい年だったということでしょうか。
しかし、2021年9月に試飲したピエール・ブレのポマール1983(38年熟成)は果実味もまだ残っているほど良い状態でした。
また、2021年4月にシャトー・マルゴー1983(38年熟成)を経験する素晴らしい機会を得た際は、まだまだ若さを感じるほどの脅威の状態でした!シャトー・マルゴーはもちろん別格でしょうが、予想よりはるかに若さを保っていました。さすがパーカーチャートで95点だけはあります!1983年ワインをお探しなら産地はマルゴーを優先してよいかもしれません。

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1987年

1987年のパーカーヴィンテージチャート

1987年のモッレリーノ・ディ・スカンサーノ
真ん中のグラスが1987年のモッレリーノ・ディ・スカンサーノ

パーカーによる1987年の評価

ヨーロッパ全土で厳しい年。カリフォルニアのノースコーストがカベルネ・ソーヴィニョン、ジンファンデル共に90点だが、カリフォルニアに1987年を入手するのが難しい。
寺井による1987年の考察
漫画ソムリエの1巻でエルニーニョの年という言葉があり、学生の頃から1987年は厳しいんだ・・・と思っていました。実際、1996年当時、1987年のワインは1990年と比べても安かったように思います。というのも、クローズ・エルミタージュ1987年が2,000円以下であったのを覚えています。
実はエルミタージュ1987年も一緒に同じ金額で並んでおり、学生ながらお買い得!と思って買ったのです。多分お店の方の知識不足で同じワインと思って値付けも一緒にしたのではないでしょうか。懐かしいなぁ。
肝心の評価ですが、パーカーの点数ほど悪くはないと思います。ボルドーは確かに軽いですし銘柄によっては枯れたニュアンスが強いですが、まだ美味しく飲めるものも多いです。
これまた学生時代の思い出のワイン(モッレリーノ・ディ・スカンサーノ1987)ですが、学生時代からずっと持っていたのですが、2022年2月にやっと飲みました。35年熟成、学生時代から約10年常温保存、その後セラーで15年保存くらいなので、もうダメだと思っていたのですが、非常に美味しく飲むことができました。

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1990年

1990年のパーカーヴィンテージチャート

パーカーによる1990年の評価
ヨーロッパ全土で高得点。90年代最高のヴィンテージです。フランス全土で90点オーバー続出。80点台はブルゴーニュ白とボージョレのみですが、これらは現在(2020年)に入手する機会はほぼないと思うので、問題ありません。
寺井による1990年の考察
ボルドーは30年熟成した現在(2020年8月)でも、まだ熟成できると思うグラン・ヴァンがたくさんあります。
濃くタンニンも酸もしっかりしているヴィンテージだと感じます。
ブルゴーニュ赤はミネラリーで堅いヴィンテージだという記憶がありますが、もうブルゴーニュのこのヴィンテージを飲む機会になかなか恵まれないので、あまり多く語ることができません。
イタリアはトスカーナ、ピエモンテともに良いのですが、特にピエモンテは非常に良く、酸の強いバローロ、バルバレスコあたりは今でもとても状態の良いものが入手できそうです。そして、価格もボルドーに比べるとまだまだ高騰しておらず、入手できるうちに買っておいてよいのではないでしょうか。

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1993年

1993年のヴィンテージチャート

pommard-1993

 

パーカーによる1993年の評価
フランス全土で厳しい年で90点台のエリアはありません。エルミタージュは58点と最悪です!
ヨーロッパではモーゼル、バローロ、ブルネロ・ディ・モンタルチーノだけが90点台とヨーロッパ全土で厳しかったことが分かります。
寺井による1993年の考察
確かに軽めのヴィンテージだと感じます。とはいえ、近年でも(2020-2023年)、古酒感はそこまで強くないボルドーは飲んでおり、決して重いタイプではないけど、まだキレイに味わえ、バランス良いものがあります。メドックは80点未満ですが、まだキチンと存在感あるワインが多いと思います。
ブルゴーニュ赤は、さすがに近年飲む機会は多くないですが、例えば2022年6月に飲んだロベール・アンポーのポマールは、蔵出しの良い造り手という好条件があるとはいえ、想像以上に果実味が残り、熟成の副雑味もあって、非常に良い状態でした。

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1994年

1994年のパーカーヴィンテージチャート

パーカーによる1994年の評価
フランス、イタリアともに厳しい年。フランスでは唯一アルザスが90点。スペインも高得点(リオハとカスティーリャ・イ・レオン、リベラ・デル・デュエロが90点)。
ソーテルヌ、ブルゴーニュの赤&白は70点台で厳しい。
ボルドーのポムロールが89点。
寺井による1994年の考察
確かに濃いボルドー好きの方には、物足りないヴィンテージだけど(そのあたりは1997年と似ている)、熟成に堪えないヴィンテージかというと、そこまで悪く感じない。“非常にきれいに熟成しているボルドー赤”を何度か経験した記憶のある年。
2020年現在、当店の在庫にあるロワール赤の「ブルグイユ1994」は想像以上のすばらしさだった!(ロワール赤はチャートにないが)。

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1995年

1995年のパーカーヴィンテージチャート

パーカーによる1995年の評価
シャンパーニュの当たり年。ボルドーではサンジュリアン、ポイヤック、サンテステフ、ポムロールで92点。
ブルゴーニュの白とコート・デュローヌも90点。
イタリアはピエモンテよりもトスカーナが良い年。
寺井による1995年の考察
2000年以降がグレートヴィンテージが増えたので今から見るとそこまで感じないが、当時は非常に良い年というイメージがあった。実際、ボルドーはグレートヴィンテージと言われていたし、メドックとポイヤックは92点と高得点。
1995年のボルドーは濃いというよりエレガントなワインが多い気がします。清涼感があり、しなやかなタンニン。熟成もすすみ、今(2020年)飲むと、よりエレガントで、熟成ボルドーのなせるバランス良さを実感できます。若く濃いボルドーとは全く違い、真価を発揮しています。逆に濃いボルドーが好きな方には物足りないでしょうか。
2022年3月、ローザン・セグラ1995を飲みました。エレガントなだけでなく、しっかりと果実味も残り、非常に良い状態でした。
ブルゴーニュ赤は、果実味、酸、ミネラルのバランス良いヴィンテージというイメージを持っていたのですが、ブルゴーニュ1995は数年飲んでいないので、現在はどうでしょう。
イタリアに関してはちょっと記憶にありません。

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1996年

1996年のパーカーヴィンテージチャート

パーカーによる1996年の評価
サンジュリアン、ポイヤック、サンテステフのグレートヴィンテージ。で96点。
シャンパーニュも素晴らしく97点。
あとは、平年並みの80点台というヴィンテージ。
イタリアのピエモンテ州が97点のグレートヴィンテージ。
寺井による1996年の考察
ボルドーも出荷時は評価は高くなかったが、市場に出回ると予想以上に良いということで、途中から評価が変わったヴィンテージと記憶しています。。
メドックは本当にしっかりしていて力強く濃厚。96Tとありますが、若いうちからそこまでタニックでなく、しっとりした感じもあったのではないかと思います。一方で、1995年のようなハーブのニュアンスだったりという清涼感はやや少なめでしょうか。
ほかの産地は単数が低めですが(平年並み)、メドックが良いというイメージが強く、他もてっきりもっと良かったように思ってしまいます。
あと、イタリアのピエモンテ州は世紀の年で力強く寿命の長いネッビオーロが多く生まれていそうです。ちょうど、私が大学生だったころ(1995-1999)にワイン雑誌で1996,1997と世紀の年になりそうだと雑誌で読んだのを思い出しました。

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1997年

1997年のパーカーヴィンテージチャートバローロ1997年

 

パーカーによる1997年の評価
フランスはシャンパーニュとローヌ北部のみ90点。
それ以外のフランス産地は90点弱という平年並みのヴィンテージ
今は2010年代の高得点続出に慣れているので、イマイチなヴィンテージと感じてしまう
イタリアのピエモンテ州もトスカーナ州も高得点。
寺井による1997年の考察
とにかくイタリアの二大産地というイメージのヴィンテージ。このころはピエモンテがすごいことになりそうだと雑誌などで読んでいたましたが、今見るとトスカーナのほうが高得点ですね。
とは言え、ピエモンテもトスカーナも素晴らしいです。今飲んでも(2020年)、まだまだ力強いものが多数あります!
2022年12月にバローロ1997年を飲みましたが、非常に良い状態で飲み頃に入っていますし、これがまだ長く続く感じでした。(ただ、ボルドー同様、タンニンが強い状態を好むなら若いバローロのほうが良いです
ボルドー赤はポムロールの87点が最高。確かにボルドー1997年はタンニンが比較的穏やかで、ワインの食感もさらりとした印象です。正直、濃く力強いボルドーが好みの方には物足りないヴィンテージだと思います。逆にエレガントさがある年。1994年に似ている気がします。ただ、このような表現が増えるため、ボルドーでエレガントというとネガティブに捉われてしまいます。でも、個人的にはボルドー大好き玄人以外に、ボルドーを美味しく飲んでもらえるエレガントな年だと思っています!

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1998年

1998年のパーカーヴィンテージチャート

パーカーによる1998年の評価

フランスはボルドー右岸の当たり年、シャンパーニュ、ローヌも良いです。
それ以外のボルドー左岸やブルゴーニュは90点に及ばない平年並みのヴィンテージ
イタリアのピエモンテ州が3年連続の良年。
載せていませんがドイツのモーゼル、ラインヘッセンも90点を超えています。
寺井による1998年の考察
ボルドー、ブルゴーニュが並なので、あまり取沙汰されないが、良い年と思っています。
右岸は非常に良い点数ですが、ちょっと経験値が少なく「その通り!」とまでは言えません。
左岸は点数以上のイメージがあります。2021年11月にCh.マルゴー1998をいただく機会に恵まれましたが、果実味やハーヴェイシャスな風味が残る、まだ若さも感じられる状態でありつつ、適度な熟成感があり、スタイリッシュでややクラシックなヴィンテージだと感じました。
逆にヌフ・デュ・パプの98点は、そこまでかな?
イタリアはピエモンテはやっぱり良いです!
93点のタウラジも良いです!2021年時点で、まだまだ熟成可能だと感じます。

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2000年

2005年のパーカーヴィンテージチャート
パーカーによる2000年の評価
(ソーテルヌを除く)ボルドー全域の赤白、ローヌ南部(ヌフ)がおおよそ95点以上。
ブルゴーニュは80点代で並みの点数だが、近年としては低得点なヴィンテージ。
寺井による2000年の考察
ボルドーに関してはミレニアムヴィンテージ&グレートヴィンテージで価格が高騰したいイメージがあります。
濃さはあるものの、骨格がひきしまっていてスタイリッシュ。タンニンもしっかりめのヴィンテージだと感じます。
ブルゴーニュも比較的タンニンがある年だと思いますが、ここまで点数が低いイメージはありません。
とはいえ、20年熟成した2020年現在、ブルゴーニュ赤で村名クラスも古酒感が出ているので、長期熟成はすごく期待できるヴィンテージではないと思います。もちろんグラン・クリュクラスのブルゴーニュ赤は、まだまだ熟成できると思います。
2020年現在、ブルゴーニュ白はプルミエ・クリュ以上を選んだほうが安心です

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2005年

2005年のヴィンテージチャート

パーカーによる2005年の評価
ボルドー、ブルゴーニュ赤、ローヌ南部(ヌフ)が95点以上、ロワール白が94点のヴィンテージです。
とくにボルドーに関しては当初からグレートヴィンテージと言われていました。
寺井による2005年の考察
ボルドー2005は骨格あるタンニンがあり、ひきしまったワインが多いと思います。
すごく濃いというより、バランスよくスタイリッシュ、ややクラシックなバランスではないでしょうか。
2020年に、カロン・セギュール2005を店頭でご購入くださったお客様が抜栓しておいてとおっしゃり、少し飲んでいいよと、グラス1杯分もくださったのですが、想像以上にしなやかでした。
2005年のカロン・セギュールだと飲み頃にギリギリ入っていて、その飲み頃というのも力強いタンニンを楽しむ感じの飲み頃かなと思っていたのですが、十分しなやかで真価を発揮していました。
ブルゴーニュ赤もバランス良く、きれいな酸に加え適度なタンニンがある年のように思います。
あとブルゴーニュ白はパーカーは88点と低いのですが、2005年白が流通していたときには、2006年以降の90点以上の年とそん色ないように思っていました。熟成してから飲んだ経験は多くはないですが、それでも良いように思います。
イタリアのピエモンテは90点以上の年ですが、非常に良いように思います。

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2006年

2006年のヴィンテージチャート

 

パーカーによる2006年の評価
バローロ、キャンティが極上の年。ボルドーは一般的な年という評価で、あれ?もう少し高い評価だったかなと思ったくらいです。ブルゴーニュも一般的な年ですね。
コート・デュ・ローヌ、ピエモンテ、トスカーナが狙い目な年という感じです。
寺井による2006年の考察
先ほど書いたように、ボルドー2006はもう少し高い評価かと思っていたくらい、良いイメージがありました。やや果実味しっかりめながら、タンニンは強すぎないイメージ。
ブルゴーニュはパーカー評価同様、一般的なイメージ。
ラ・トゥール・カルネ2006 ラ・トゥール・カルネ 2006の外観
例えば、シャトー・ラ・トゥール・カルネ(2022年と2023年の試飲)。
色で分かるように、2度とも、やや若い印象で濃いダークチェリーレッド。
1枚目の画像では青がまだ抜けきっていないように見えますが、2枚目で見ると朱のニュアンスも入ってきています。
2023年に飲んだ3枚目画像時には、青は感じられませんでした。
香りは、2022年試飲時も23年試飲時も、黒い果実に加え茶色いスパイスの香もあり、適度な熟成を感じますが、飲むとまだまだ熟成可能な感じで、今飲み頃に入ってきている状態です。
パーカーはボルドーを90点未満としていますが、どうでしょう。私はさきほど書いたように、確かにすごくパワフルな年ではないですが、果実味がしっかり乗っていて良い年と思います。

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