スタッフ竹野
今回より、生まれ年ワインショップの記事を担当することになりましたスタッフ竹野です。
実家がイタリア料理店で旅行好き。当然ワインも大好きな20代後半女性です^^
よろしくお願いいたしますm(__)m

今回は美味しい美味しい貴腐ワインのススメ♪

「貴腐ワイン」とはどんなもの?

「貴腐」ということばを聞いて、どんなものを思い浮かべますか?

貴族などの崇高なイメージに使われる「貴」と腐敗をイメージさせる「腐」という字は正反対のようで、なんだか不思議なことばに思えますよね。

しかしこれこそが、魅力の詰まったこのワインを表すにふさわしいことばなのです。貴腐ワインとはいったいどんなワインなのでしょうか。

ここではその正体と魅力をお伝えいたします。

食後に貴腐ワイン

【高貴な腐敗がブドウを甘くする】

貴腐とは、ブドウの表皮にカビがついてしまうことによって、普段とは違うぎゅっと凝縮された甘みと香りを引き出す不思議な現象のこと。

見た目が少し腐敗したように感じるので「腐」ということばが使われ、それにより好影響をあたえるので「貴」が使われているのでしょう。ちなみに貴腐ワインの有名なフランスではpourriture noble、ドイツではedelfauleと呼ばれており、これはどちらも「高貴な腐敗」という意味。それを日本語訳したのが「貴腐」ということばにあたるのです。

貴腐化の原因は、ボトリティス・シネレア菌(通称・貴腐菌)と呼ばれる菌。これ自体はじつは病原菌であり、ブドウだけではなく野菜や花などにも付着してしまい、灰色かび病という病気を引き起こします。

「そんな悪性のものでいいブドウになるの?」

なんて不安になってしまいますよね。
しかしある一定の条件を満たすと貴腐に成功し、とんでもなく甘く美味しいワインができあがるのです。

【貴腐が起こるのはどんなとき?】

貴腐化が起こる状況はとても限られています。たとえば

  • 夏などの暑い時期に育つブドウであること
  • 完熟であること
  • 霧がかかるような気候になる地方であること

などが挙げられます。

環境はもちろんのこと、貴腐化するブドウは白ワイン用の特定品種の場合が多く、具体的にはセミヨンやリースリングなどといった皮の薄い品種がそれにあたります。

ただ、ブドウが未熟であると『灰色かび病』となってしまう可能性は高くなり、確実に貴腐化が起こるとは限りません。

それほどに貴腐葡萄は貴重な品種なのです。

【甘く複雑な香りがするデザートワイン】

とっても甘い貴腐ワインはデザートワインの一種。そのはちみつのように濃厚な甘い味わいと、他のワインにはない複雑な芳香が特徴といえます。

なぜ甘くなるかというと、貴腐菌がブドウの皮に小さな隙間をあけてカビで覆い、その隙間から水分を蒸発させてしまうから。レーズンなどのドライフルーツのように、乾燥して中に糖度が詰まった状態になるのです。

セミヨンやリースリングは皮が薄いので溶かしやすく、貴腐になりやすいといわれています。

また、通常発酵したときに酵母によって糖分は消費されていきますが、貴腐ワインはあまりに糖分が多く、消費しきれません。そして完全に消費できないうちにアルコール度が上がって酵母が消え、甘みがしっかりと残るという仕組みです。

【代表的な貴腐ワイン】

貴腐ワインは環境と品種が揃った地方で作られることになりますが、代表的な地域は、

  • フランスボルドーのソーテルヌ地区
  • ドイツのライン地方やモーゼル地方
  • ハンガリーのトカイ地方

などがあげられ、これらは
貴腐の三大生産地
として知られています。では特に代表的なワインについてお話していきましょう。

<シャトー・ディケム>

yquem-1986

フランスのソーテルヌで作られる貴腐ワインは、セミヨンによって作られたシャトー・ディケムが有名です。ソーテルヌ地区では通常ボルドー・ブランと呼ばれる辛口白ワインを作っていますが、一部が貴腐ワインとなって作られています。シャトー・ディケムは1ヘクタールに900リットルしか生産できない特に貴重な貴腐ワインで、貴腐ワイン好きが一度は飲みたい最高峰の貴腐です!

<トロッケン・ベーレンアウスレーゼ>

ドイツは白ワインがほとんどですが、中でも貴腐ワインをはじめとするデザートワインは、長い冬の間に保存できるフルーツのような役割を担います。ドイツワインはブドウの熟成度で格付けがされていますが、特に糖がぎゅっと詰まった甘口ワインは最上の価値がある存在。最上級のトロッケン・ベーレンアウスレーゼに含まれるリースリングはほどよく酸が入り、重すぎない甘味です。トロッケンは普通「辛口」を意味しますが、この場合は「乾燥」を表しています。

<トカイ・アスーエッセンシア>

トカイ1957年

ハンガリーのトカイでは辛口、やや辛口も生産されていますが、伝統的なものといえば甘口のトカイ・アスーエッセンシア。ハンガリーの品種であるフルミントを使用しています。かつてルイ14世に「ワインの王」と呼ばれたほどの銘酒で、世界中から愛されている貴腐ワインです。

ちなみに日本でも貴腐ワインの生産がされており、日本では山梨、長野、北海道などのワインの名産地で作られています。

【マリアージュ】

ワインにもよりますが、一般的に貴腐ワインと相性がよいとされているのは

  1. フォワ・グラ
  2. ブルーチーズ
  3. ドライフルーツ
  4. チョコレート

などが代表的でしょう。濃厚なワインの甘みは、同じく甘いものや濃厚な塩味と相性がよいとされています。

生まれ年の貴腐ワインはプレゼントにおすすめです!

貴腐ワインは何十年も貯蔵できることからもわかるように、熟成されたものもまた美味しくいただけます。長い年月をかけて美味しく育っていく貴腐ワインこそ、生まれ年のものをプレゼントするのにぴったりなワインといえるのではないでしょうか。

また、オーナーソムリエ寺井がよく言っているのが

「古酒はワイン初心者には慣れない味なことも多い中、貴腐ワインは別格」

なので、当店には貴腐ワインをはじめとするデザートワインが多く並んでいます。

みなさん、是非プレゼントに貴腐ワインを選んでみましょう!

貴腐ワイン一覧ページ

(参照サイト)
http://www.suntory.co.jp/customer/faq/001820.html
https://food-drink.pintoru.com/wine/botrytis-wine/
http://www.kscellar.com/kaisetu-kifuwine.html
http://www.v-yamazaki.co.jp/staffblog/hiroo/2012/04/post-312.html
http://wine-temiyage.com/enjoy-noble-rot/

(参照文献)
『基礎ワイン教本』THE WINE AND SPIRIT EDUCATION
『ワインの教科書』木村克己
『そこまで聞くの?ワインの話。』山田健

スタッフ竹野
スタッフ竹野
実家がイタリア料理店だったこともあり飲食への好奇心が旺盛
別のワインショップで3年間アルバイト経験あり
普段の趣味は美術館巡りと読書(日、英、仏文学、現代小説、ビジネス本・・・そしてマンガも大好き♪)
非日常の趣味は、旅行!国内外問わず旅に出られるタイミングに出てしまう^^;